ボード施工が進むと、空間の輪郭だけでなく、

設備や建具との関係も徐々に具体的になってきます。

今回の現場で、特に検討を重ねたのが、

エアコン配管が関係する窓廻りのデザインをどのように納めるか、という点でした。

既存の配管経路は、ビンテージマンションでよく見られるように、

サッシに後付けのパネルを設け、そこから配管を通す方法が採用されていました。

機能としては成立していますが、

室内側から見ると窓まわりの印象に影響が出やすい納まりでもあります。

今回の計画では、大開口の窓まわりをできるだけ丁寧に整えたいと考え、

既存サッシの内側に、木製の製作二重窓を設ける構成としました。

そのため、既存の配管ルートをそのまま踏襲するのではなく、

窓まわりのデザインと両立できる、新たな配管経路を検討しています。

 

エアコンの配管は、室内側でいったん壁内に隠ぺいし、

木製二重窓のサッシに設けた「目くら」部分の裏を通して、

最終的に屋外へと配管しています。

配管を目立たせずに外部へ導くための、ひとつの納まりです。

この目くら部分は、配管スペースとしてだけでなく、

幅を抑えた開き戸とすることで、通風用の窓としても機能させています。

また、あえて幅を狭く設定することで、

小さなお子様の落下防止にも配慮した構成としています。

エアコン配管を隠ぺいする判断は、

単に室内をすっきり見せるためだけのものではありません。

窓まわりの意匠、通風の取り方、安全性といった要素を整理した結果、

この配管ルートに行き着いています。

一方で、配管を壁内に通すことで、

断熱材の一部を欠損する箇所が生じるのも事実です。

断熱性能だけを見れば避けたい納まりではありますが、

今回は窓・壁・設備を個別に考えるのではなく、

住まい全体としてどのバランスが適切かを見ながら判断しています。

配管の位置は、下地の組み方やボードの割付にも影響します。

現場では、配管ルートを確認しながら、

下地や断熱材の納まりを一つずつ調整していきました。

完成すると見えなくなる部分ですが、

こうした検討や整理を、ボード施工前の段階で行っておくことが、

最終的な空間の質や使い勝手につながっていくと考えています。

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