今回のリノベーションでは、

既存RC躯体をそのまま見せる「躯体現し」とする部分があります。

解体を進めていくと、

その一部で 不陸(凹凸)やジャンカ(コンクリートの打設不良) が想定以上に出てきました。

こうした状態を見ると、

「このまま現しにして大丈夫なのか?」

と不安になる方も多いと思います。

そこでまず、既存の構造図を確認し、

この部分が構造耐力を負担する主要部材ではなく、

雑壁(非構造壁)や仕上げ下地として扱われている範囲であることを確認しました。

構造的に問題がないことを押さえたうえで、意匠の判断に進む。

 

「躯体現し」は、何もしないという意味ではない

構造的に問題がないことが分かっても、

そのまま放置すればいいわけではありません。

ジャンカや大きな不陸があると、

仕上がりがラフすぎて空間の品位が落ちる

埃や汚れが溜まりやすい

といった問題が生じます。

そこで今回は、

意匠的に気になる部分のみを選別してモルタル補修を行う方針としました。

全面を塗りつぶしてしまうのではなく、

コンクリートの表情は残す

ただし“汚さ”になる部分だけを整える

という、躯体現しならではのバランスを取っています。

既存躯体がそのまま見える部分、モルタルで補修する部分、

新しく立ち上げる壁、家具で隠れる部分

それぞれの見え方を想定しながら、

完成時にモルタル補修部だけが浮いて見えないよう、

バランスを考えて進めています。

 

「現し」は放置ではなく、設計と施工でつくる仕上げ

躯体現しというと

「コンクリートを剥がしただけ」

と思われがちですが、実際にはその逆です。

どこまで見せるか、どこを補修するか、どこを“荒れ”として残すか

を、構造・施工・意匠の3つの視点で判断してつくっていく仕上げが躯体現しです。

今回も、

解体 → 状態確認 → 構造チェック → 意匠補修

というプロセスを踏んで進めています。

「ラフだけど洗練された」空間をつくるための大事な作業だと思っています。

 

 

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