世田谷の住宅プロジェクト。
都内ではよく見かける旗竿敷地で、建物が建てられるスペースは四方隣家に囲まれるような土地です。
一見すると悪条件ですが、アプローチ空間が必然的にゆったり取れたり、通りから見えるファサードが限られた面しかないので、外観デザインの整理がしやすい(割り切れる)など、変形地ならではの良さもあります。
もちろん、施工が難しい、採光通風がとりずらい、斜線制限の影響を受けやすい、挙げだしたらきりがないほどデメリットは出てきますが、設計の仕方や考え方でほとんどのことが解決できます。
ふと私自身、理想の住まいを考えたときに思い浮かぶのは、映画「私はロランス」の終盤に出てくる、ロランスが内覧しているマンションの1室。
窓からは木々が見えて、バルコニーに出ると湖が見える。風通しのいい室内で外部の雰囲気がどこか感じられる住まい。
完全に都内の旗竿敷地からかけ離れています(笑)
とは言え、都内の建物を設計するときも、そんな気持ちの良い空間をイメージしながら試行錯誤しています。
誰もが自由に住む場所を選べるわけじゃないので、決められた場所を如何に心地よくするかも設計者の腕の見せ所です。