音羽のビンテージマンション_既存利用の裏側

普段、設計のプロセスについては、
クライアントのプライバシーを大切にしていることもあり、
あまり発信してきませんでした。けれど今回、自分たちの住まいをつくるという機会を得て、
解体、設計、工事、竣工、そして暮らしまで、
プロセスを少しずつ記録していこうと思っています。このブログでは、その記録をもう少し丁寧に、
設計者としての目線と、暮らし手としての実感の両方から
書き残していけたらと考えています。
物件を探すにあたって、最初に考えたのは
「家族として、これからどこで暮らしていきたいか」ということでした。都心からのアクセスのよさ、自然環境、小中学校の雰囲気、
そして街の静かな雰囲気。世田谷区・千歳烏山は、ほどよく便利で、うるさすぎない。
建築家としての視点ではなく、親としての直感で、
「ここなら気持ちよく暮らせそうだ」と感じたことを覚えています。
物件は、築年数の経ったマンション。
スケルトンにしてゼロからプランを考え直すリノベーションを前提にしています。リノベの完成は1年半後、息子が小学校に入学するタイミングです。
この新しい住まいが、家族の「次の10年」を支える場所になるように、
じっくり設計していこうと思っています。
少し先の話になりますが、
4年後には、自宅とは別の場所で、設計事務所とパン教室を併設した空間を計画しています。
妻は今、自宅パン教室を主宰していて、
その活動をより開かれたかたちにしていく準備です。設計と暮らし、仕事と人とのつながりが
ゆるやかに混ざる場所を、時間をかけてつくっていくつもりです。
次回は、「なぜこの物件を選んだのか」や
具体的な条件面、立地や建物のポテンシャルについて
書いていきたいと思います。